佐藤さんちのふしぎ

童話作家・佐藤さとる と作品たち

『星からおちた小さな人』紹介

 今度は事件です!

 「だれかが、高い空の上から町を見おろしていた。」
 コロボックルの住む小山のあるその町の地形が、上空からの視点で語られています。今日はコロボックルが開発した空とぶ機械の新型、はばたき式飛行機の試験飛行なのです。背中に付けた羽を脚でこいではばたかせ、駅の上の高い空を飛んでいるのは若いクルミノヒコ=ミツバチ坊や、離れて見守るのはヘリコプター型の旧式機種で、乗っているのは開発主任サクラノヒコ=サクランボです。いったん小山まで戻ったミツバチ坊やが、時間計測のためにまた駅まで飛んでくると、そのヘリがモズに襲われている! 無我夢中でモズに体当たりしたミツバチ坊やは、そのまま人間の町の、駅舎の方へと落ちて行った……。

 コロボックルたちは必死にミツバチ坊やの捜索に当たります。サクランボ技師はもちろん、旧友のマメイヌ隊長スギノヒコ=フエフキとその部下たちや、コロボックル通信社の編集長クリノヒコ=風の子、それに世話役のヒイラギノヒコや「せいたかさん」まで、総動員です。
 でも、ミツバチ坊やを見つけ出したのは経験豊かな彼らではなくて、もっと若い世代、サクランボ技師の妹で、学校の課程を仲間より早く終えてしまって社会見学をしている天才少女、サクラノヒメ=オハナと、その級友、サザンとザンカの兄弟でした。
 いえ、もうひとり、ミツバチ救出に決定的な活躍をしたのは、せいたかさんとママ先生との娘、小学2年生のおチャメさんでした!

 

 

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