佐藤さんちのふしぎ

童話作家・佐藤さとる と作品たち

2024-01-27から1日間の記事一覧

『小さな国のつづきの話』について(1)

佐藤さんの大冒険 これはもともと『へんな子』という短編でした。それを長編に展開したこの巻では、じつはたいへんな挑戦が行われています。正子の勤める町の図書館の児童室には、このコロボックル物語の第一巻から第四巻までがちゃんとそろっているんです!…

『小さな国のつづきの話』紹介

第5巻の主役はふたり。 人間側の主役になる「ヘンな子」、杉岡正子さんのことから物語は始まります。高校を卒業して町の図書館に務めはじめた正子は、「どこがどうヘンなのかはなかなか説明しにくい」のだけれど、みんなに「ヘンな子」だと言われる、ちょっ…

『ふしぎな目をした男の子』について(2)

ヒロシとタケル この巻でも、男の子たちは学年を越えて仲良くなっています。ヒロシはタケルより五つか六つ年上だけど、とっても面倒見がいいんですよね。あ、そういえばこの巻には女性がほとんど出て来ない。タケルのお祖母さんとお母さんがちらっと姿を見せ…

『ふしぎな目をした男の子』について(1)歴史と環境

あたらしいコロボックルたちとあたらしい人々 1971年刊行のこの第四巻に、せいたかさん一家は登場しません。コロボックルも、おなじみの顔は、世話役のヒイラギノヒコのほかには、クリノヒコ=風の子の仲間のふたり、今はクマンバチ隊隊長のスギノヒコ=…