佐藤さんちのふしぎ

童話作家・佐藤さとる と作品たち

『豆つぶほどの小さないぬ』紹介


 「矢じるしの先っぽの国、コロボックル小国」にある「せいたかさん」の家に、みんなの世話役になったヒイラギノヒコが招かれてやってきます。

「手紙には、ききたいことがあるって書いてあったけど、いったいなんだい。」
「むかし、きみたちが飼っていたという、小さないぬのことで、くわしい話が知りたいんだ。」
 豆つぶほどの小さないぬ、伝説のマメイヌ=ユビギツネの、人間とコロボックル双方の社会に残る言い伝えを確認しようとしているのです。

 でも今回の物語の主人公はこの二人ではありません。同席を許されていたコロボックルの若者、クリノヒコ=風の子です。古い言い伝えの話を聞きながら風の子は、自分の幼い頃の奇妙な経験を思い出していました。あれはもしかしたらマメイヌだったんじゃないか?

 「せいたかさん」の連絡係である風の子は、仲間を集めて、マメイヌが実際にいたのかもしれない痕跡を追っていきます。チームは風の子にフエフキ、ハカセ、サクランボ、ネコの5人。みんな「コロボックル通信社」の通信員でもあります。ママ先生の連絡係のおチビもあとから加わりました。
 個性豊かなこの仲間たちが、いきいきと活動してマメイヌの謎を追います。コロボックルもむかし飼っていたというそのマメイヌが、もしまだ生き残っているなら、ぜひ自分たちで見つけ出してその記事を通信社から発表したいと意気込んで。

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