佐藤さんちのふしぎ

童話作家・佐藤さとる と作品たち

短編集『コロボックル童話集』紹介

 コロボックルの登場する短編作品はいろいろな形で出版されていますが、講談社青い鳥文庫に『コロボックル童話集』としてまとめられていますので、それに沿ってご紹介します。

 まず、独立した短編二作があります。そのうちの一編、『コロボックルと紙のひこうき』には、『星からおちた小さな人』で活躍した、サザンとザンカのサザンカ兄弟が現れます。少々おっちょこちょいの彼らがこんどはどんなことをしでかすのでしょうか。

 絵本として書かれた「コロボックルのトコちゃん」シリーズ四作。シリーズは人間の視点からではなく、コロボックルのおとなの目でもなく、完全にコロボックルの幼児のトコちゃんの目線で、小山での遊び、冒険を描きだします。

 初期三巻完結後に書かれた、人間とコロボックルの「トモダチ」ペアの短編が四作。
 『ヒノキノヒコのかくれ家』の主人公は、『コロボックルのつづきの話』にも出て来るヒノキノヒコ=トギヤです。コロボックルと人間、大工さんどうしのペアのはなしですね。
 『人形の好きな男の子』では、『星からおちた小さな人』のオチャ公が中学生に成長しています。かっこいいアニキ分です。
 『百万人にひとり』は、長編『不思議な目をした男の子』のもとになった短編。江戸っ子みたいにべらんめえ口調のツムジイが百万人にひとりの男の子のトモダチになるまで。
 『へんな子』は、長編『コロボックルのつづきの話』のもとになった短編。これがほとんどそのまま長編の出だし部分になっていますね。

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